JUOのブログ

ドイツのフットサルやサッカー情報、視覚障害者スポーツロービジョンフットサル日本代表としての活動など、自分が普段関わるスポーツに関して書きます。留学情報や趣味のアメフト観戦についてもたまに

ポーランドで色々考えた話 ※エージェント無しで練習参加情報あり

こんにちはJUOです

 

一昨日の練習後の車中トークでチームメイトとドイツにおける外国人について話をしたところから、ホロコーストについて話が及びました。「そういえば過去にポーランドを訪れて、その際にアウシュビッツを訪れた経験あったな」と思って過去を回想していたところ、ポーランドのサッカー事情とか、当時考えていたこと、感じた事など色々蘇ってきたので、忘れないうちに書いておこうと思います。20歳の時ポーランドのクラブに短期で練習参加しに行ったお話です。約3年程前の話になるので、今とは少し違う情報もあるかもしれませんがおおめに見てください。

 

 

 

ポーランドへ

ポーランドのクラクフという街を選びました。理由は個人的に中欧や東欧に以前から興味があり、今日に至るまでドイツと非常に深い関わりを持つ歴史的にも面白さを感じたからです。あとはなんといっても世界的に有名なGKがこの国は多数排出されているということで、是非一度そのトレーニングを体感してみたい!という気持ちが強かったからです。
ワルシャワも有名ですが歴史といえばクラクフ。アマチュアサッカークラブの練習は基本的には夜だけで、サッカー以外に何を学ぶかも僕にとっては非常に重要な海外渡航のポイントですのでクラクフで2週間トレーニングをすることに決めました。

 

 

渡航前の準備

僕はエージェントを雇うお金は持ってないので、1人でチーム探しと交渉を行います。そっちの方が断然安上がりですし、行動に制限も掛からなさそうなので。
まずはインターネットでチーム探し。大体欧州の国は下部リーグでもチーム一覧や順位表、日程が載ったサイトみたいなものが存在します。本当に便利な時代です、クラクフだけで多くのチームがヒットしました。レベルもそれぞれで、その中でも何チームかをピックアップし英語又はポーランド語でメール(ポーランド人の友達に助けてもらいました)しました。4〜5チーム程。
その中で4部と6部のクラブからは返信が来てアポが取れました。
まあその後はグラウンドの場所等を必要情報を調べるような流れでした。これで大体渡航2週間前くらいです。航空券、ホテルはもちろん取っていました。

 

 

クラクフの街

正直この記事の読者にとってはどうでもいい情報かなと思いますが、せっかく行ったのでザックリと紹介。
クラクフはワルシャワから電車で2時間半程の街でかつての首都、歴史の街であります。日本で言うと京都ですね。「古都」って感じで、完全な観光地です。治安も良くて物価も安い(通貨はズロチ)、んでもって本当に雰囲気が良い。過去に訪れた街の中で、多分一位です。最高の街です。中心街やお城は言うまでも無く趣がありますが、元々ポーランドは欧州内において最もユダヤ人が暮らしていた国ということもありその中でかつてユダヤ人が集まり暮らしていたカジェミシェ地区はポーランドの中で独自の生活スタイルや文化を築いたホロコースト以前のユダヤ人の暮らしを垣間見ることができる貴重な場なのでとてもお勧めします。まあ今はカフェとかが沢山あるオシャレな若者の場所という認識も強いらしいですが笑。

 

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トレーニング

 

本題、練習参加を快く受け入れてくださった、2チームを紹介します。

 

KS Clepardia (4部)

4部所属のクラブで、アマチュア〜セミプロといったような感じでしょうか。給料をもらっている選手もいました。
クラブハウス横のピッチは試合用で、そこから少し離れた場所に練習場があるというような感じでした。
練習日:週3くらい

 

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奥がクラブハウス
中は広く、運営のための部署も設けられていました。トロフィーなんかも合ったりしたので、昔はそれなりに強かったのかも知れません。

※内部の写真は念のため非公開にします。

練習は1時間半ほどでみっちりと濃い内容をこなした印象です。(GKは別なのでフィールドはあまり覚えていません)
施設が立派であったり、選手の意識や監督の指導など組織としてかなりオーガナイズされた団体であるなという印象を受けました。

 

 

KS Podgorze (6部)

施設等、完全にアマチュアクラブといった感じでした。(それでもちゃんとクラブハウス等は有ります)
給料は無しで、練習着等は持ち寄り。ピッチの半面を使って、シュートとゲーム形式メインの練習でした。練習時間は19時開始ですが選手が集まり出すのが19時20分以降みたいな緩いクラブでした笑
ただ練習自体の雰囲気はかなりよくて、オフザピッチでも仲良く気軽に話しかけてくれるとても良いチームでした。

 

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ポーランドの下部リーグの印象

実際試合に出てきたわけではありませんが、トレーニングを通じて思ったのはプレー内にフィジカルの要素が非常に強いなと感じました。
ポーランドの選手はとにかく体が大きい。球際はかなり強く来ますし、選手も足元の技術よりはフィジカルでプレーする選手が多かった印象です。GKはもちろん大きいです。それに加えて4部のチームでは非常に技術が高い。ゴールを守る技術だけでなく、空間を守る技術も兼ね備えていてバランスの良いキーパーが多かったです。伝統的に良いGKが育っている国とだけあって、育成方法もしっかりとしているのかも知れません。流石に2週間だけじゃ「なぜか?」の部分までは分かりませんでしたが笑

 

費用

ざっとまとめます

航空券    約¥70000

宿泊(アパート) 約¥25000

交通費    約¥10000

食費・観光  約¥35000

練習参加費   ¥0

合計     約¥140000

物価がとにかく安いです、食費も観光もとにかく安上がりです。宿泊も高くないところに泊まればかなりセーブ出来ます。
練習参加費はエージェントを通しないのでもちろんゼロです。このレベルで15万円以内に抑えれたのはかなり満足しています。
普通の旅行でも2週間15万は半端なく安いと思います。

 

 

番外編 〜アウシュビッツ 共生を考える〜

共生を考える

僕がフットボールをする1つのテーマであり、今回のポーランド滞在はそのことについて考えるという目的でもありました。
そんな自分がこのポーランドの滞在でどうしても訪れたかった場所「アウシュビッツ強制収容所」。人類の歴史の中で最も残酷なことが行われた場所です。ここに来ずして未来の共生というものが語れるはずがないと思い、「学び、繋げる」という思いで訪れました。
訪れて率直に感じたことは「人の弱さと」「知らないことの怖さ」です。当時のドイツは第一次世界大戦の賠償に追われ、大変疲弊した国でした。そんな状況下で生まれたヒトラーは、国民の手で合法的に選ばれた指導者でありました。そして彼により敵とみなされたユダヤ人を大衆は何も知らず迫害へと追い込みます。ヘイトスピーチや報道が偏見を生み大虐殺を生んでしまったのです。自身らの状況が悪い時、共通の敵を作ろうとしたことも人の弱さから生まれたものであり、それが迫害を後押ししてしまったのでしょう。
この事は現在のヨーロッパのが抱える問題や置かれた状況にも非常につながってくると思います。ドイツだけでなくヨーロッパでは移民や難民をめぐる議論が後を立ちません。「いかに共生をしていくのか」が非常に大きなテーマの1つとなっています。
日本だって関係のない話ではないのです。社会の中には都合が悪いという理由で、いないことにされ、その存在を無視され続けている人が多数います。そんな人たちと共生していくことがこれからの未来なのです。僕は日本人は排他主義や差別主義者では無いが、知らなすぎる人たちであると思っています。ただ今後の共生を考える上で知らないということはその促進を止めてしまう大きな要素であります。だからこそ、一度この歴史をに立ち返り、各々が「知ろうとする勇気」を持つ必要があります。そして各個人が「繋ぐ」という意識を持ち、前に進んでいかなければいけないのだと、改めて考えさせられました。

 

サッカーを理由にポーランドに来られる方も是非ここには来て欲しいです。そして写真をバシャバシャ撮るのではなく、五感をフル活用し多くを感じて、考えて欲しいと思います。(偉そうにすいません)

 

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最後に

このポーランドの滞在では単なるサッカーのスキルアップの他に、フットボールを通じて交流した友人から、地元の文化や暮らしなんかも教えてもらい非常に有意義な滞在になりました。今でも連絡を取り合い、「いつでもトレーニングに来いよ」と誘ってくれる大切な友人もできました。やはりそこに今回の滞在の大きな意義があったのではないかなと思っています。
知らないアジア人が海を超えてたった1人でクラブハウスを訪ねる事は一見奇妙な事でしかないですが、面白いと思ってくれる人も沢山いますし、結局一緒にサッカーしたら仲良しなんですよね。そこで広がる輪がものすごく価値のあるもので意義があるということを今回の滞在で学ぶことができました。そのスポーツを通じて得た感覚を最後に書いた「知ろうとする勇気」みたいなものに繋げることができれば、面白いものができるんじゃないかなって思っています。
まあまとめると、やっぱりフットボールは面白い!こんな感じの滞在でした笑