JUOのブログ

ドイツのフットサルやサッカー情報、視覚障害者スポーツロービジョンフットサル日本代表としての活動など、自分が普段関わるスポーツに関して書きます。留学情報や趣味のアメフト観戦についてもたまに

ドイツでのシーズンを終えて

こんにちは

 

先月ドイツでのシーズンが終わり帰国しました。日本人がほとんどプレーしていなく、情報もほとんど無い謎多きドイツフットサルリーグ。そこでたったの1シーズンですが多くの経験をさせていただき、様々な発見がありました。そこで今日は昨シーズンの振り返りをしたいと思います。有益かどうかは分かりませんが、誰かのお役に立てれば光栄です。

 

巡り合わせで出会ったクラブ

以前記事にしましたが、渡独当初はフットサルクラブが見つからず、サッカークラブでプレーをしていました。
そんな中、5月にスペインで行われたロービジョンフットサルの国際試合でスペイン代表のコーチから推薦をいただき、ドイツのフットサルクラブを見つけるきっかけを与えていただきました。そこで出会ったのが“Germania Ober-roden Rhein-Main futsal”でした。その後は自身でクラブハウスに足を運び、練習参加の日程等の交渉を行いました。かかってこないだろうと思った電話がなってトライアウトの許可が下りた時は、ようやく辿り着いたなという思いでした。それほどドイツにおいてフットサルはまだまだマイナースポーツでコネクションを構築するにも非常に骨が折れる。そんな世界なんだと実感した瞬間でもありました。
練習参加から契約は非常にスムーズでした。フットサルのオフ期間に既にチームメイトとは会っていましたし、とても寛容なチームの雰囲気のおかげですんなりと溶け込むことが出来ました。ドイツ代表や多くの州選抜選手など第一線で活躍する人たちとプレーする事はとにかく学びが多かったですし、何よりもフットボールを通じて一生の友ができたということが大きな財産になったなと思っています。本当に素晴らしいスタッフ、選手、スポンサーに恵まれたクラブに出会えました。心から誇りに思います。

 

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プレシーズン時点では第3GK扱い

8月末からプレシーズンが始まりましたが、チームに3人のキーパーがいる状況で、当初僕の序列は最下位でした。まあ普通ですよね。
正直言うとこの辺からシーズン序盤あたりにかけてが1番しんどい期間だったかもしれません。
うちのチームは公式戦はメンバーに入るキーパーが2人までなので、かなり先行きは怪しかったです。さらにプレシーズンマッチの出来は最悪でした。ミス連発で目も当てられない状態でした。まだまだ本当の意味で馴染めていないのだなと感じました。
ただこのままだとまずいなと思っていたところで、キーパーの一人が怪我で離脱し、一応扱いとしては2ndという扱いになりました。さらに先発の選手も不振で、開幕までに1番マシなやつということで自分が開幕戦のスタメンに抜擢されました。
ただこの開幕戦がとにかく酷かった。今思うと心理状態がかなり悪かったです。立ち上がりに失点し、そこから崩れて大量失点。前半だけで代えられました。正直キツかったです。そこから前半戦はロービジョンの代表にも参加し、離脱も増えたことで年明けまでは完全にサブ要員、1試合も出れませんでした。チームの調子も最悪で過去最低の滑り出しで降格権、最下位の時もありました。思い出すだけでも最悪の期間ですね。

 

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チャンスがきた!

ロービジョンの世界選手権が12月に終わり、リーグ戦も中断に差し掛かったところで、ヘッセンの州選抜に呼ばれるようになりました。
選抜といっても選手の多くが普段のチームメイトなので、大きな変化やストレスは感じませんでした。ただ自分の中で大きく変わったことがありました。それはピッチ内外での振る舞いです。代表との両立で苦しんだ前半戦や、世界選手権での経験のおかげで精神的にかなりタフになったと思います。普段のチーム練習でもいいプレーはしていたので自信も取り戻しつつありました。それもあってか、もっと主張したり、試合中熱くなったり、色んな表現で自分を伝えて、リーダーシップを取っていこうという考えに至り、それを行動に移せるようになりました。自分、普段日本にいても大勢の前で意見を言うことがとても苦手なので、それを言葉もうまく操れない海外で出来るようになったのは大きな進歩だったと思います。多分相当必死だったんだと思います。
選抜の監督がチームの監督でもあったので、そこから監督やチームメイトの自分に対する目も変わりました。コミュニケーションの量が増え、プレーでの要求も増えました。こうやって信頼は築いていくものなんだって実感しました。わかりやすく変わりました笑。キーパーというポジションは信頼で成り立ちますから、本当に日頃の振る舞いって大事ですね。
そんな中、1月のリーグ再開。オーバーローデンは降格権にいました。前半戦は圧倒的負け越しで絶対に落とせない一戦で、再び先発に抜擢されました。ロードでカールスルーエ戦、過去2シーズン1勝もあげることが出来てない苦手な相手でした。
ただとても自信がありました。半年間だけですが、色んな面での積み重ねを感じていたので。脛当てを忘れるという失態は犯しましたが、結果は5-4 で勝利、特別出来が良かったわけではありませんが、このチーム状況で、しかも重要な試合で一点差を耐えて勝つというのは非常に価値のあることでした。ここを機に確実にチームの流れが変わりました。
翌週のヘッセンダービー、開幕戦で大量失点した相手にも先発し、大勝。さらに翌週、ドイツトップ10以内に入るDeisenhofenにも勝利し破竹の勢いで3連勝。リーグ再開後5戦4勝で降格権を脱出し、一転プレーオフを狙える位置にまでつけました。自分への評価が一転したのを肌で感じました。
月並みですが、やっぱり「チャンスは誰にでも来る、そのチャンスを掴む為に常に準備してなければいけない」のだなと心から思いました。自分が契約できたこと、活躍できたこと、それに限らず人生のターニングポイントになってきた出来事って今振り返ってもやはりり運の要素がかなり強いんですよ。本当にたまたま転がってくるんです。だから自分は運だけは最高のものを持ってると思ってるんですけど。でもそれって運を拾う為にアンテナを張ってるか、準備をしているか、いざという時に拾いにいく勇気があるからこそなんだなって思いました。今シーズン1番の発見かもしれないです。

 

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外国人として巻くキャプテンマーク

それでその後、シーズン終了まで全てが上手くいったのかといえばそうではありませんでした。
1試合大ぽかをして負けた試合もありましたし、怪我が悪化したこともあって結構ギリギリでプレーをしていました。練習でのパフォーマンスは終盤に連れてかなり落ちていってました。それでもチームが信頼して自分を使ってくれことは非常に感謝していますし、手前味噌ですが、「本当に愛されているのだなと」心から思いました。やっぱりその気持ちはプレーで返すのが選手ですよね。終盤は「キモチ」でやってました笑
そんな中で迎えたホームWeilimdorf戦、昨年のドイツ王者且つ2年間国内で無敗といういわば“バイエルン状態”のチームです。その試合、キャプテンが離脱で不在ということで、急遽キャプテンマークを巻くことになりました。ビッグマッチでこの大役、つくづく持ってるなと感じてしまいました。「歴史が長いクラブじゃないけど、マークを巻くのはお前が5人目。ドイツ代表も巻いてきた。責任をもってやってほしい」と言われた時は震えました。冗談抜きに。
結果的に今シーズンのドイツフットサルラストゲームになったこの試合は大敗。やっぱりチャンピオンは強かったです。もっとやれると思ってましたがダメでした。自分の実力もまだまだだと感じました。上手くいって終わればそれが良かったですけど、逆にこの結果に僕という選手がよく現れたなと思い、一つの充実感も覚えました。上手くいったことなんてほぼ無いけど、だからこそそれをモチベーションにここまで続けてきているんだなと。「この結果を受け止めて、頑張ろうって」真面目に思ってしまいました。自分らしくないので笑ってしまいました。

 

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来シーズン以降の去就

シーズン終盤に契約延長のお話をいただきました。是非とも残ってほしいという話でした。僕も来シーズン、引き続きプレーを続けたいという意向を示しました。しかし問題も多々あって、僕自身日本の大学での学期があと1年残っている事や、経済的な事、ビザの事等来年戻るには多くのハードルがあります。その旨をクラブには伝えました。「それなら登録はうちで残しておくから戻ってきたい時に戻っておいで」という有り難すぎるお言葉を頂きました。ですので来シーズンは再びオーバーローデンでプレーしようと思ってます。そしてそこに標準を合わせ、今は頑張っている状況です。コロナの影響で先行きが怪しくなるばかりですが笑

 

 

まとめ

本当に学びの多いシーズンだったと思います。飛躍的に技術が向上したかといえば、そうではないですが一つ一つ山を越えて、ステップアップができたのではないのかなと思っています。沢山の教訓がある、とてつもないシーズンでした。
最後に今シーズン、日本やドイツで多くの方々にサポートしていただきました。そして何より、名も無い日本人にここまで愛を注いでくれたオーバーローデングループには心から感謝したいです。本当にありがとうございました。華のないアマチュア選手ですが今後ともよろしくお願いします。

それではまた

 

JUO 

 

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