JUOのブログ

ドイツのフットサルやサッカー情報、視覚障害者スポーツロービジョンフットサル日本代表としての活動など、自分が普段関わるスポーツに関して書きます。留学情報や趣味のアメフト観戦についてもたまに

今後サッカーで渡独を考えている人たちへ

こんにちはJUOです


今日はサッカー留学ということをテーマに書きたいと思います。
今、プロを目指し、高校や大学卒業後に海外に来る選手が年々増えています。僕が住むドイツにも選手を目指し滞在している人が大勢います。大都市に行けば本当に試合会場でよく会うレベルです。僕自身も高校卒業後に1年間ドイツでプレーした経験があります。そんな俗に言う“サッカー留学” ですがほとんどの選手が1、2シーズンで帰国してしまいます。とても生き残りが難しい世界なのです。そこで今回は高校、大学卒業後に渡独し、サッカーをプレーし生き残っていくために必要な要素とサッカー留学を考えている人達に持っておいてほしい考えをまとめました

 

 

選手として生き残るためには

 

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時間をかけてドイツでの実績を残す

いくら全国大会に出た選手であろうが、よっぽどのことがない限りドイツでは実績なしの無名選手です。一発でプロから声がかかる可能性は超低いです。それを理解まず理解しましょう。そして下部リーグ8・9・10部リーグでのプレーを受け入れ、そこで活躍することにフォーカスしましょう。ドイツでの実績を作るという作業を怠らないことが、遠回りなようで一番の近道です。ただ時間はかかります。例えば8部から始めて翌シーズン7部に移籍、翌シーズン5部、そこで2シーズンやって4部でも5年以上かかる事になります。この期間熱量を維持し続けること必要はあります。並みの覚悟ではやっていけませんが、活躍している人はこれができている印象です。逆によくある失敗のパターンは1年で結果が出るものだと思ったらアマチュアリーグで、給料も無し、そんな環境に不満を言って、試合にも出れずに終わるというパターンです。日本で多少実績があったのもわかりますが、流石に周り見えてなさすぎです。ドイツ人からしたらお前誰だって感じですから。勘違いはしないようにしましょう。

 

 

 

コミュニケーションをどれだけ大事にできるか

 これとても疎かにされがちですが、無名ならとにかく語学は出来なきゃ話になりません。特に出会う日本人選手はほとんどチームメイトと喋りません。嫌われちゃうよ笑って感じです。尖ってるのか分からないけどちゃんとコミュニケーションしましょう。チームからすれば言葉も通じない外国人、日頃からお互い密に話合って信頼を深めることもできない人を試合で使えるでしょうか。監督からすれば戦術の落とし込みができない選手です。同じレベルか多少の誤差程度であれば間違いなく日本人は使いません。会社に置き換えても一緒です。自分の考えを理解してくれない人に重要なポストは与えませんよね。それと同じです。生き残るにはとにかく、出来なくてもコミュニケーションへの努力は怠らないようにしましょう。そうすればチームの中で自分の立ち位置というものを築けています。
ちなみに、コミュニケーションが原因でアマチュアレベルで出れないことはかなりあります。コミュニケーションもサッカースキルの1つです。それも踏まえてプレーする場を適切に選択できるかも重要な要素です。

 

 

自立する

 結局はこの言葉に集約される気がしますが、生き残る為には情報収集や自己管理などが非常によく出来ていなければいけません。
自律していると生活にも適応して1人で条件の良いクラブに移籍したり、仕事を見つけてきたりとキャリアの積み上げも非常にスムーズ 可能です。金銭的にも圧倒的に浪費が減ります。
自律できていない選手の例として、エージェントの罠にハマる選手がよくいます。
エージェントは、情報やコネを知識が全く無い人に対して提供している人達です。
安心は買えますが、少し勝手が分かった人間からすると、高すぎるのと、お金が吸い取られていく仕組みになっているなという印象です。日本人と同じチーム、同じ寮で生活をし、情報がそこまで無い中でビザが切れるまで生活をし、切れたらサヨナラという感じです。だがこれに関してはエージェントはビジネスなので、言ってしまえば選手の意識に問題があると思います。本当に熱量があるならどこかで自律しなければいけないことに気づき、自らでチーム、住居、仕事を見つけられるくらいになる必要があるでしょう。普通に社会人としてできていなきゃいけないことですしね。



以上の3つが特に必要なことだと思います。その上で僕がプロになりたいという選手に対していいたいことがあります。

 

これから渡独を考えている選手へ

 

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プロになるための近道は日本に残ること

 僕はプロ経験がある選手ではないですが。高校、大学卒業後にプロを目指し海外に来ることは正直遠回りだと思っています。
まあ国によってですが、プロの基準が低い国に行けば、即なれる事がほとんどですが、先進国である西ヨーロッパでは先述した通り無名という扱いを受けるのでかなりの時間を要することになります。サッカーで生活がある程度出来るレベルが4部程度です。そこにいくのに先ほども言いましたが5年はかかります。
それならいっそ日本で社会人クラブでのし上がっていく方が、学生時代の実績や繋がりでチャンスがより巡ってくると思います。コミュニケーションも心配無いのでシンプルにプレーだけが評価されます。
「海外に来ればすぐにプロになれる」その考えは完全に間違いです。

 

 

 

サッカー留学を人生の逃げ道にしないでほしい。

 日本で評価されずに「海外にプロ目指しに行きます」。聞こえはいいし、「海外で選手やってます。」とは言えるけど、語学学校にも行かず、週二の練習以外何もせず、実質何も得ていないのは結局自分の人生が詰むだけなのでやめた方がいいです。お金を払うだけ時間の無駄です。日本で評価されなかったこと逃げ道として来て、大した熱量も持ってないのでは本当に人としてもスッカスカの人間になって、日本に帰っても居場所とか無いですよ。

 

 

選手キャリアの後を考えるべき

 これは絶対考えておくべきです。一生サッカーをプレーして飯食い続けている人間はいますか、いないですよね、早かれ遅かれ絶対にキャリアには終わりがきて第二の人生が始まります。そんな時に手元に何も無いではどうしようも無いです。せっかく海外にいるのですから、他の人では身につけられない、スキルや 視点、人脈を築くチャンスです。そういった意味でも、語学はやるべきだし、コミュニケーションも積極的に取るべきです。サッカーとは全く関係ない人とだって会ってみるのもいいと思います。

 

 

 

最後に

 散々言ってきましたが、僕はサッカーで海外に来ること自体は決して間違った選択ではないと思います。サッカー的な成功事例はもちろんありますし、サッカー以外にもチャンスが転がっています。なので海外に来ることは賛成ですし、そういった選手は応援しています。
ただ結果的に納得のいかない滞在で終わるケースがほとんどの現状は選手自身のマインド含め変えていかなければいけないなと思っています。
熱量を持って、適切に準備を行い、情報収集はしなければいけません。最悪の場合も想定した上で中長期的な視点と判断がかなり重要です。目先の都合のいい情報だけを見ていると上手くいかなくなった時、対応できず最終的に何も残りません。このようなことを理解してこれからの若い選手には挑戦してきてほしいです。

JUO